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タイトルヨミ
20ダイ ノ ワカモノ ガクセイ オヨビ セイト ノ コウレイシャ ニタイスル イシキ チョウサ
日本語以外のタイトル
A Survey of The Young Generation's Consciousness of Old People
ファイル
言語
日本語
著者
島田 雅治
内容記述(抄録等)
 国際連合は,昭和35年(1960)に,総人口の中に占める老人人口の割合が,4%未満の国を「青年の国」(young-countory),4%以上7%未満の国を「中年の国」(mature-countory),7%以上の国を「老年の国」(aged-countory)と定義している。この定義にしたがえば,表2に明らかなように,わが国は大正9年(1920)に初めて国勢調査が実施されて以来,中年の国であり,昭和45年(1970)に7%をこえ,老年の国になったということになる。そして,昭和60年(1985)には10%をこえるに及んで,高齢化社会ということが強く叫ばれるようになり,さらに、表1の将来の見通しが示しているように,21世紀には超高齢化社会の到来が予測され,これに対して今後どのように対応していくかについて,しきりに論議されている昨今である。
 島根県は,大正9年以来老年の県ということになり,昭和45年には11.2%と,国よりも15年も早く10%をこえ,高齢化社会に突入し,超高齢化社会へと進んでいる。
 ところで,わが国の高齢化問題には,三つの大き特徴があるといわれている。その1は,表3に示されているように,人口の高齢化の速度が諸外国に比べて異常に速く,また,その2は,表4から明かなように,65才以上の人口比率がこれまた諸外国より高率であること,およびその3は,高齢化の地域差が極めて大きいことである。そして,日本の中でも,その代表的な県が島根県であるといっても過言ではないであろう。
 こゝで、特に地域差について述べると,高齢化率全国1位の本県は最低の埼玉県と比較すると,約2倍となっている。また,県内の市郡および市町村における実態は,表5,表8から明らかなように,大きく地域差が存在している。市町村に限ってみると,知夫村36.0%,布施村35.8%に対し,東出雲町12.4%,松江市12.5%(以上平成元年10月1日推計)と比較すると約3倍となっている。
 以上のように,わが国および本県の人口は,急速に高齢化が進んでいるが,人口の高齢化は,国民の扶養負担の増大をはじめ,高齢者の在宅福祉,施設福祉,雇用,保健医療および老後生活の充実や住宅など,さまざまな老人福祉施策を必要としている。
 昭和38年に制定された「老人福祉法」には,その基本理念として,第二条に「老人は,多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され,かつ,健全で安らかな生活を保障されるものとする。」と規定し,さらに老人福祉の増進の責務が,国および地方公共団体にあることを定めていることは注目される。
 しかし,近年在宅福祉などの重要性が指摘されているように,高齢者への対応は,第一義的には,家庭にも大きな責務があることはいうまでもない。
 このような状況の中にあって,本県に在住する若者,学生,生徒たちが,高齢者に対して,どのような意識をもっているかを把握するために実施したのが,この調査である。
掲載誌名
島根大学教育学部紀要. 教育科学
24
1
開始ページ
65
終了ページ
90
ISSN
0287251X
発行日
1990-07-31
NCID
AN0010792X
出版者
島根大学教育学部
出版者別表記
The Faculty of Education Shimane University
資料タイプ
紀要論文
部局
教育学部
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