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ID 5247
タイトルヨミ
イズモ コイズウラ ノ ワカレンジュウ キソク サイシ ソシキ ノ イチ シリョウ ト シテ
ファイル
a008005h007.pdf 2.97 MB ( 限定公開 )
言語
日本語
著者
原 宏
内容記述(抄録等)
島根県の島根半島を中心とする地域における頭屋制は、荒神信仰や正月行事――特に歳徳神の部落共同の祭祀――と関連して、社会学的にも注目してよい民俗資料である。とりわけ祭祀組織という観点から見た歳徳神頭屋制は、半島の北岸の浦々――日本海沿岸部――において厳修されている。私は昭和四十四年・四十五年の中海沿岸地区の民俗資料調査以来、この問題にいっそう関心を深め、民俗学者石塚尊俊のすぐれた業績と示唆に助けられて研究を進めている。
ところで歳徳神祭祀の頭屋制は、浦々によって多少の相違が見られるが、最も厳粛に修営されていると見てよいのは小伊津(平田市小伊津町)のそれであろう。昭和四十五年二月十九日(旧暦正月十四日)に小伊津採訪を試みたが、そのさい私は歳神祠に保存されていた記録類の中から、一冊の文書を見いだすことができた。それが本稿で紹介する小伊津浦の若連中規則である。
若連中とは、青年男子によって組織される年齢階梯集団の一種で、普通に若者組と呼ばれることが多い。年序体系の中で重要な位地を保ち、とりわけ祭礼や婚姻に対して特異な役割をもっていた、十五歳前後から二十五歳前後、ないしは結婚するまでというのが多く、加入脱退・宿・機能・組織・経済などについても特有の慣行をもっていた。その伝統はある程度は、のちの青年会・青年団にも引き継がれた。
ところで、本稿は若者組にっいて論述するのがねらいではない。また小伊津の村落組織ないし祭祀組織を論ずるものでもない。ただ若者組が年序体系の中核体として、村落の祭祀組織ないし祭礼行事に一定の役割を持って強く参与していた――特に歳徳神の祭祀組織における主宰的管掌――ということ、さらには村落の階統構造の一側面としての若者組それ自体も顕著なヒエラルヒーによって組織されていたということ、少なくともこの二点を念頭において、小伊津浦の若連中規則を掲げることにする。この規則に関して多少の知見もあるが、いまは評釈することをひかえて、ただ復刻にあたって傍記を加える程度にとどめておさたい。なお石塚尊俊の的確な研究があるので援用し、併録させていただくことにしたい。
掲載誌名
島根大学文理学部紀要. 文学科編
5
開始ページ
169
終了ページ
204
発行日
1972-03-20
NCID
AN00108037
出版者
島根大学文理学部
出版者別表記
Shimane University, Faculty of Literature and Science
資料タイプ
紀要論文
部局
法文学部
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