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ID 5410
タイトルヨミ
ハインリッヒ フォン クライスト ノ ノヴェレ ヒロイゴ ニ ツイテ UBEL オ チュウシン ニ シテ
日本語以外のタイトル
Uber die Novelle der Findling H. v. Kleists
ファイル
言語
日本語
著者
南 勉
内容記述(抄録等)
クライストのノヴェレ『拾い子』は,1811年「物語集第二巻」に収められ,はじめて公刊された。彼のほとんどのノヴェレは,作品集に収められる前に雑誌などにおいて発表されている。そして当該作品に関する記録がないため,この作品の成立時期は判然としていない。このような成立事情は,偶然とは思われない程,作品の内容と共通しているような印象を与える。
ところで当該作品において,三つのモチーフが叙述されている。第一のモチーフは,拾い子ニコロの義父ピアキーに対する忘恩であり,第二のモチーフはニコロとコリノとの偶然的酷似性であり,第三のモチーフは,ピアキーのニコロに対する復讐である。第一のモチーフと第三のモチーフとは表裏一体の関係であることは明らかである。第二のモチーフは,アナグラムCOLIN0−NICOLOを導入し,この作品をクライマックスヘ導く重要なモチーフである。作品の主人公は,題名によると,ニコロのはずであるが,ピアキーもエルヴィーレも主人公の如き観を呈している。そこでこの三人を関連付ける媒体は何であろうかという疑問が生じてくる。義理の関係とは言え,三人は親子であり,家族である。この三人は,相互に孤立している。この三人をつなぐものは家族としての絆ではなく,むしろ、”Ubel”であるように筆者には思われる。従って当該小論においては,この三人の性格を規定し,三つのモチーフを検討しつつ,この三人と三つのモチーフをつなぐ媒体である”Ubel”について考察してみたい。
掲載誌名
島根大学法文学部紀要文学科編
3
2
開始ページ
215
終了ページ
226
ISSN
03886859
発行日
1980-12-25
NCID
AN00108081
DOI(SelfDOI)
出版者
島根大学法文学部
出版者別表記
Shimane University, Faculty of Law and Literature
資料タイプ
紀要論文
ファイル形式
PDF
著者版/出版社版
出版社版
業績ID
e17871
部局
法文学部
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