島大言語文化 : 島根大学法文学部紀要. 言語文化学科編

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島大言語文化 : 島根大学法文学部紀要. 言語文化学科編 5
1998-07-31 発行

補語の分類について

A Study of Classification of Complements
安本 武正 中国語学中国文学研究室
ファイル
a007005h004.pdf 875 KB ( 限定公開 )
内容記述(抄録等)
中国語の文の成分の中では、恐らく補語ほど複雑でまぎらわしくて難解な成分はない、と言っても間違いはないと思う。この点は、特に日本の中国語の文法書に顕著にあらわれている、と言っても差し支えない。もともと中国の国文法の書物はそれほどでもないのに、なぜこのような結果をまねいているかと言えば、それは多分中国の若干の書物(小文で引用する書物の中にもそのようなものが含まれているが)の影響をうけているのではないかと認識されられるからである。というのは、日本の中国語文法は大体中国のものを直訳しているか、あるいはそれを踏襲して書かれているものであるからである。
その補語を見た場合、実に多種多様に分類されているが、これが逆に補語を一層複雑にしているとも思われる。また仮に、補語の分類の基準を明確に定めていたとしても(中には必ずしもそうでないものもあるが)、実際にその具体的内容、特に引用している例文からそれを照し合わせた場合、中々理解できない部分があることも否定できない。従って、小文では数量補語と様態補語をキーポイントにして、これとかかわりのある若干の補語を取り出し、その問題点あるいは疑問点に分析を行い、補語の分類とその具体的な内容を考えてみる。
NCID
AA11147571