経済科学論集

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経済科学論集 28
2002-03-31 発行

幕末石見天領の人口機構 : 単年次宗門改帳による観察

Demographic Systems of Viliages in Iwami Shogunate Territory in Late Tokugawa Period
廣嶋 清志
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内容記述(抄録等)
江戸時代後半の日本人口は、全体的にみれば停滞していたが、各地域においては相当異なる人口動向が並存していたとされている(速水1997,P.86、鬼頭2000,P.96)。このことは、程度の差はあるが、石見国内においても同様で、人口動向の全体的な停滞とともに地域間差が存在していたと指摘されているすなわち、沿岸地域で人口増加が大きく、山間部で小さい(原1934)。しかし、その理由および人口学的な要因については研究がされていないようである。本稿は、このような幕末期石見国の中における人口再生産機構の地域的差異がどのようなものかを宗門改帳から得る人口資料の微視的な観察によって明らかにし、単に石見内の地域差の解明にとどまらず、江戸時代後期日本における人口機構の地域差を考察する一助としたい。
NCID
AN00069886