島根大学教育臨床総合研究

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島根大学教育臨床総合研究 16
2017-08-31 発行

書字障害が疑われる通常学級児童の漢字書字の誤り分析

Error Analysis of Kanji writing of the pupil with a suspicion of Dysgraphia in a regular classroom
福田 恭路 松江市内中原小学校
樋口 和彦 島根大学教育学部初等教育開発講座特別支援教育専攻
三島 修治 島根大学大学院教育学研究科教育実践開発専攻
ファイル
内容記述(抄録等)
通常学級に在籍し,通級指導教室で指導を受けている書字が苦手な小学校4年生の児童を対象に,漢字書字の誤りの要因を検討した。村井(2015)の漢字テストと漢字誤り分析表を用いて評価した。児童の漢字書字の誤りをさらに詳細に検討するため,誤りの仮説を立てたうえで漢字を選定し,より詳細な漢字テストを作成した。その結果,①同じ音の漢字に書き誤る,②意味の似ている漢字に書き誤る,③形を間違って書くという,漢字書字の誤りの3要素すべてが存在した。対象児は,普段から漢字を書くことに消極的で書字の経験の不足が,誤りに影響していることが示唆された。テストでの漢字書字の際に,大きな拒否がなかったため,漢字書字の機会を設け,一定期間指導を行った後,詳細な評価を行うことで,A児の漢字書字の問題点がさらに明確になると推測される。
NCID
AA11831482