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Title Transcription
レッシング ノ PANENTHEISMUS
File
a006009h004.pdf 1.25 MB ( 限定公開 )
language
jpn
Author
[Hayakawa, Akira]
Description
「人間の教育」第七十三節に於て、窮極的に把握されたレツシングの神の概念は、ここに到るまでに、幾多の曲折を経て来てゐる。啓蒙主義の嫡子として、そこから出発した彼は、その合理主義的制約をついに脱け出し得なかつたものの、認識手段としての理性をその限界にまで追ひつめることによつて、言はば、啓蒙的合理主義の限界をその内部からきはめ、その自已破壊を促したものと言へよう。彼の神の把握も亦、このやうにして啓蒙主義一般の山麓から、その絶巓への過程を辿るのであるが、ただ、この過程に於て彼は絶えず幾つかのアポリアに突きあたり、その克服に腐心せねばならなかつた。そして、彼をして同時代の合理主義の神観に飽き足らせず、このアポリアに彼を追ひ込み、同時にそれを解決せしめたものは、彼の個性的な宗致性Religiositat ゲーテの言ふWeltfrommigkeit だつたといつてよいだらう。彼自身の言葉を裏書きするやうに、彼の神の把握は、その固定的な最終の姿に於てよりも、むしろ、そこに到る精神過程に於て、より興味をそそるものを持っている。
Journal Title
島根大学論集. 人文科学
Volume
9
Start Page
44
End Page
52
ISSN
04886518
Published Date
1959-02-28
NCID
AN00108183
Publisher
島根大学
Publisher Aalternative
Shimane University
NII Type
Departmental Bulletin Paper
OAI-PMH Set
Faculty of Law and Literature
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